楽天・全世界株式インデックス・ファンドの第1期の実質コストが年換算で約0.5%ってどういうこと?電話して確認してみました。

先日、「Fund of the Year 2018」に関する記事を書いた時に見たNIKKEI STYLEの記事で気になる文言がありました。

「目利きの個人」が選ぶ18年のベスト投信|マネー研究所|NIKKEI STYLE(2019/1/16)

実質コストにも注目

昨年1位だった「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」は9位に後退した。17年9月の設定で、投資対象は米投信会社バンガード社の上場投信(ETF)であるバンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)だ。先進国と新興国全体を対象に、大型株だけではなく中小型株まで網羅するFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスという指数に連動する。

信託報酬は年0.2%台だが、昨年秋に開示された運用報告書によると、銘柄の売買手数料などを加えた第1期の実質コストは年換算で約0.5%だった。「思ったより高い」と一部に失望感があったようだ。

ただし売買手数料率は手数料を期中の平均残高で割って計算するので、設定後の第1期など残高が小さい時期は高く表示されてしまう。資産規模が増えるにつれて急速に低下するのが通常なので、今後の推移次第で再評価される局面もありそうだ

楽天・全世界株式インデックス・ファンド」は私が「つみたてNISA」で投資している投資信託なのですが、「銘柄の売買手数料などを加えた第1期の実質コストは年換算で約0.5%だった」という記述に「えっ!?どういうこと?」と思いました。

というのも、「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」の公開されている信託報酬は年0.2296%(税込)だからです。

「なぜ、倍になっているの?」と思ったので、すぐに運用報告書を確認したのですが、その理由は分かりませんでした。

そこで、「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」を運用する「楽天投信投資顧問株式会社」に電話して尋ねてみました。

忘れないように、忘備録として残しておきたいと思います。

交付目論見書で見る手数料(コスト)

交付目論見書(使用開始日:2018年10月18日)

交付目論見書の7ページ(最終ページ)にある「ファンドの費用」に手数料が掲載されています。

私は今までピンクのラインを引いた「信託報酬」の「実質的に負担する運用管理費用」の数値だけを見ていたのですが、実際には青いラインを引いた「その他の費用・手数料」もかかるということで、この部分が「実質的に負担する運用管理費用=年0.2296%(税込)程度」に上乗せされるそうです。

先程のNIKKEI STYLEの記事では、「銘柄の売買手数料などを加えた第1期の実質コストは年換算で約0.5%だった」とあるので、「0.5 – 0.2296 = 0.2704」で約0.27%が「その他の費用・手数料」として上乗せされたと考えることができます。

青いラインの「その他の費用・手数料」の詳細は「運用報告書」で確認できます。

運用報告書で見る手数料(コスト)

運用報告書(全体版) (決算日:2018年7月17日)

「運用報告書」の場合、「1万口当たりの費用明細」が手数料(コスト)に関する記述になります。

先程の「交付目論見書」とはちょっと違った記述になっていて混乱しますが・・・。

まず、この運用報告書は「当期」の期間が「2017年9月29日~2018年7月17日」となっており、1年間(365日)より短いです。

・7/18〜7/31:14日間
・8/1〜8/31:31日間
・9/1〜9/28:28日間
→ 合計:73日間(14 + 31 + 28)
→ 365日 – 73日 = 292日

上記の計算により、292日間のコストになるので、実際はここに記載されているよりも年間コストの数値は大きくなるそうです。

292日間の合計コストが「0.304%」なので、1年間(365日)だと以下の計算により「0.38%」になります。

・0.304% ÷ 292日 = 0.001048275862069%(1日のコスト)
・0.001048275862069% × 365日 = 0.382620689655172%(年間コスト)

ただし、「運用報告書」の「1万口当たりの費用明細」には「交付目論見書」にあった「投資対象とする投資信託証券における報酬=年0.10%程度」が入ってないそうです。(ややこしいですね。。)

よって、「0.38%」にこの「0.10%」を足して「0.48%」となります。

まとめると、以下のようになります。

・「運用報告書」の「1万口当たりの費用明細」:年0.38%
・「交付目論見書」の「投資対象とする投資信託証券における報酬」:年0.10%程度
→ 合計:年0.48%程度

上記の計算から、NIKKEI STYLEの「銘柄の売買手数料などを加えた第1期の実質コストは年換算で約0.5%」が成り立ちます。

ただし、NIKKEI STYLEの記事にも書いてあるように、今後、残高が増えていくと、コスト比率は徐々に下がっていくそうです。

2期目の運用報告書が出た時に確認した方が良さそうですね。

交付目論見書と運用報告書の手数料(コスト)の見比べ

「交付目論見書」と「運用報告書」では、手数料の掲載の仕方が違いますが、上記のような対応になっているということです。

「交付目論見書」では「その他の費用・手数料」に入っている「売買委託手数料」の高さが目立ちます。

先ほども書いたように、「運用報告書」には「交付目論見書」の「投資対象とする投資信託証券における報酬」がありません。

楽天投信投資顧問株式会社からレポートが発行

この「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」の実質コストが思いのほか高いことは昨年話題になったそうで、楽天投信投資顧問株式会社からレポートが10月に2度出ています。

楽天投信投資顧問株式会社:運用報告書「1万口当たりの費用明細」の内容について(2018年10月5日)

売買においては最良執行 を図っていますが、ゼロからの新規立ち上げということもあり、ファンド純資産総額が成長する過程において 継続的に発生したETF買付けに伴う売買委託手数料が協会規則に則って計算されたことにより、結果としてさらに大きな数値で表示されていることは事実です。

第1期の1万口当たりの売買委託手数料は、500万円÷50億口×10,000=10円となります。同様に第2期では、500万円÷150億口×10,000=3.3円となります。 つまり、上記イメージ図のようにファンド純資産総額が拡大する過程で、決められたルールに則って簡便法を用いるため各期間の平均値が分母となり、算出される数値が大きく変わることがありうるのです。

なお、運用報告書における売買委託手数料については今後もルールに則って算出し開示していきますが、 純資産総額規模は相当程度拡大してきており、その影響は上述の通り一定程度軽減されていくことを予想しています。

楽天投信投資顧問株式会社:運用報告書「1万口当たりの費用明細」の経過について(2018年10月31日)

今後は新規で投資信託に投資する時は、「その他の費用・手数料」も確認していこうと思いました。

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