今年(2018年)は2008年9月のリーマン・ショックから10年ということで、様々なメディアで「そろそろまたリーマン・ショックのような暴落が来るのではないか?」といった内容の記事をよく見かけました。
今年じゃなくても、来年(2019年)や再来年(2020年)に過去10年で最大の調整相場が来るかもしれません。
そんな時に、「指くわえて暴落が終わるのをただ待つだけでなく、暴落を利益に変えてヘッジしたい」と思いました。
「ヘッジする」とは「保険をかける」ことです。
国語辞典では「ヘッジ(hedge)」は次のように説明されています。
商品・株式・外国為替の取引で,買い方の値下がり損や売り方の値上がり損を防ぐため,逆の空売り・空買いをする保険的な操作。つなぎ売買。ヘッジング。リスク-ヘッジ。
たとえば、「日経平均株価は25,000円までは上昇すると思うけど、それ以上は上がらない。むしろ、そこで多くの利益確定の売りが出て下落する。1年後には20,000円を切っていてもおかしくない。」などと思っていたら、25,000円を付けたときに日経平均株価に連動するインバースETFなどに投資してヘッジしていれば、株価が下落すればするほど含み益が増えます。
大きな調整相場が来たときにヘッジしていなければ、既存の投資先銘柄の含み益は減る一方ですし、含み益から含み損へとマイ転してしまう可能性もあります。
もちろん、含み損を抱えていた銘柄は、さらに含み損が増えてしまうでしょう。
個別株や投資信託、ETFなら利益が乗っているうちに売却するという選択肢もありますが、「積立NISA」や「iDeCo(イデコ)」ではそういう訳にもいきません。
そんなことを考えていたら、以前読んだこの本のことを思い出しました。
橘玲さんの2013年3月に出版された本です。
今から約5年前でアベノミクスが始まった頃の本なので少し古いですが、久しぶりにざっくりと目を通してみました。
この本の中で「日本株の暴落に賭ける」という項目があります。
日本株の下落を利益を得るような投資法があれば、損失の一部(もしくはすべて)に保険をかけることができます。あるいは、財政破城で日本株の大幅下落が明らかなら、それを投機のチャンスととらえる投資家もいるでしょう。
幸いなことに、いまでは株価の下落から収益を得るさまざまな金融商品が開発されています。
株価の下落から収益を得る金融商品としては、以下の4つが紹介されています。
- 株式の信用取引による空売り
- 日本株ベアファンド(ベアETF)
- 株価指数先物の売り
- 株価指数オプションのプットオプション
「信用取引」についてはいつか勉強してみたいという気持ちはありますが、なんとなく難しそうというか、一歩間違えたら資金を溶かしてしまうようなイメージもあります・・・。(よく分かっていませんが・・)
「先物(デリバティブ)」や「オプション取引」も同様にハードルが高いイメージがあります。(本を読んでもいまいち理解できませんでした。。)
そこで、2番目の「日本株ベアファンド(ベアETF)」の銘柄についてだけ調べてみました。
株価の下落から収益を得る「日本株ベアファンド(ベアETF)」の銘柄一覧
投資の世界では「ブル(Bull)」「ベア(Bear)」という言葉をよく見かけますが、「ブル相場」と言えば「強気相場、上昇相場」という意味です。雄牛(bull)がツノを上から下へ突き上げて攻撃するイメージです。
一方、「ベア相場」は「弱気相場、下落相場」という意味です。熊(Bear)がツメで上から下に攻撃するイメージです。
ベアファンド(投資信託)やベアETFは日経平均などの株価が下落すると含み益が増えるので、ここから「下落相場が始まる」と思った時に購入すれば、予想通り下落した時には収益につながり、保有銘柄のヘッジになります。
逆に、予想に反して上昇が続き、踏み上げられると含み損になってしまいますが。
<ベアファンド(投資信託)>
銘柄 | レバレッジ | 対象指数 | 購入時手数料(税込) | 信託報酬 | 純資産 | 設定日 償還日 |
---|---|---|---|---|---|---|
楽天日本株トリプルベア | -3.0 | 日経平均 | 3.24% | 1.00% | 135億円 | 2009年6月19日〜 2022年6月14日 |
SBI 日本株3.7ベア | -3.7 | 日経平均 | 2.16% | 1.00% | 49億円 | 2015年2月6日〜 2019年2月5日 |
楽天 日本株トリプル・ベアIII | -3.0 | 日経平均 | 3.24% | 1.00% | 29億円 | 2015年10月7日〜 2019年6月14日 |
(日本トレンドS) リバース・トレンド | -2.0 | 日経平均 | 2.16% | 0.99% | 28億円 | 1995年1月17日〜 2020年1月14 |
ベア2倍日本株ポートフォリオV | -2.0 | 日経平均 | 2.16% | 1.00% | 26億円 | 2018年6月29日〜 2021年6月28日 |
日本ハイパーベア6 | -2.5 | 日経平均 | 2.16% | 1.10% | 24億円 | 2017年6月27日〜 2019年6月11日 |
米国株スーパーベア7 | -2.0 | NYダウ | 2.16% | 1.13% | 10億円 | 2017年6月23日〜 2020年7月6日 |
One 日本株ダブル・ベアファンド | -2.0 | 日経平均 | 2.16% | 0.92% | 7.1億円 | 2017年11月30日〜 2022年11月25日 |
SBI 日本株3.7ベアIII | -3.7 | 日経平均 | 2.16% | 0.90% | 5.9億円 | 2018年5月9日〜 2021年5月10日 |
ベアファンドはFXのようにレバレッジが効かせられるようです。倍率は2.0〜3.7倍です。
また、店舗で販売しているアクティブ投信と同じくらい購入時手数料が高いです。
さらに、償還日が意外と近い商品が多い印象です。延長される可能性もありそうですが。
<ベアETF・インバースETF>
ETF(=上場投信)では銘柄名に「インバース(=逆の、反対の)」という名称が付くものが多いですが、「ベア」と似たような意味合いで使われているようです。
「インバース」は1倍ですが、「ダブルインバース」は2倍のレバレッジがかかります。
銘柄 | 対象指標 | 信託報酬(税込) | 純資産 | 上場日 |
---|---|---|---|---|
NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信 (1357) |
日経平均ダブルインバース・インデックス | 0.864% | 935.1億円 | 2014年7月16日 |
日経平均ベア2倍上場投信 (1360) |
日経平均ダブルインバース・インデックス | 0.81% | 256.3億円 | 2014年11月11日 |
NEXT FUNDS 日経平均インバース・インデックス連動型上場投信 (1571) |
日経平均インバース・インデックス | 0.864% | 159.8億円 | 2012年4月12日 |
日経平均ベア上場投信 (1580) |
日経平均インバース・インデックス | 0.81% | 106.3億円 | 2013年5月9日 |
楽天ETF-日経ダブルインバース指数連動型 (1459) |
日経平均ダブルインバース・インデックス | 0.378% | 89.9億円 | 2015年7月15日 |
TOPIXベア2倍上場投信 (1356) |
TOPIXダブルインバース(-2倍)指数 | 0.81% | 87.8億円 | 2014年5月29日 |
ダイワ上場投信-日経平均ダブルインバース・インデックス (1366) |
日経平均ダブルインバース・インデックス | 0.81% | 64.2億円 | 2015年1月6日 |
TOPIXベア上場投信 (1569) |
TOPIXインバース(-1倍)指数 | 0.81% | 61.6億円 | 2012年4月5日 |
ダイワ上場投信-日経平均インバース・インデックス (1456) |
日経平均インバース・インデックス | 0.81% | 59.9億円 | 2015年4月27日 |
ダイワ上場投信-TOPIXインバース(-1倍)指数 (1457) |
TOPIXインバース(-1倍)指数 | 0.81% | 55.8億円 | 2015年4月27日 |
NEXT FUNDS JPX日経400インバース・インデックス連動型上場投信 (1471) |
JPX日経400インバース・インデックス | 0.864% | 51.3億円 | 2015年8月24日 |
ダイワ上場投信-JPX日経400インバース・インデックス (1465) |
JPX日経400インバース・インデックス | 0.81% | 30.6億円 | 2015年8月24日 |
JPX日経400ベア上場投信(インバース) (1468) |
JPX日経400インバース・インデックス | 0.81% | 19.3億円 | 2015年8月24日 |
ダイワ上場投信-TOPIXダブルインバース(-2倍)指数 (1368) |
TOPIXダブルインバース(-2倍)指数 | 0.81% | 10.2億円 | 2015年1月6日 |
中国H株ベア上場投信 (1573) |
ハンセン中国企業株ショート指数 | 0.918% | 7.5億円 | 2012年12月6日 |
JPX日経400ベア2倍上場投信(ダブルインバース) (1469) |
JPX日経400ダブルインバース・インデックス | 0.81% | 5.3億円 | 2015年8月24日 |
ダイワ上場投信-JPX日経400ダブルインバース・インデックス (1466) |
JPX日経400ダブルインバース・インデックス | 0.81% | 3.5億円 | 2015年8月24日 |
NEXT FUNDS JPX日経400ダブルインバース・インデックス連動型上場投信 (1472) |
JPX日経400ダブルインバース・インデックス | 0.864% | 2.4億円 | 2015年8月24日 |
参考:日本取引所グループ | 銘柄一覧:レバレッジ型・インバース型
ちなみに、純資産が一番大きい「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(1357)」はYahoo!ファイナンスの「売買代金上位」で常に上位にいる銘柄です。
今日は7位ですが、日経平均株価が24,000円台にのせた時は4位くらいまで上昇していた記憶があります。それだけ、ここから下がると思った投資家が多かったということです。
今後は上記のように「株価の下落から収益を得る銘柄」も選択肢に入れていきたいと思います。
ベアファンド(投資信託)もベア・インバースETFもコスト安いネット証券で購入できます。
コメント