ひふみ投信などの中小型株投資信託(アクティブファンド)のシャープレシオとトータルリターンを比較

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ひふみ投信」のパフォーマンスが7月から下落傾向にあり、とうとう基準価額が50,000円を割ってしまいました。

上記は過去1年のチャートですが、今年に入ってから2月、3月に続く3回目の50,000円割れです。

「ひふみ投信」は毎日、ツイッターで16時ごろにその日の基準価額の変動をつぶやきます。

これは8月13日のつぶやきですが、「ひふみ投信」の基準価額は-1176円と大幅に下落しました。1日で1000円以上の下落は非常に珍しいです。

ただ、アクティブファンドで日々の基準価額をツイッターで毎日報告してくれるのは、「ひふみ投信」だけだと思います。

その日の基準価額が下落しても上昇してもつぶやいてくれます。

YouTube動画の「ひふみアカデミー」もそうですが、投資家に対して多くの情報提供をしようとする姿勢はアクティブファンドでは非常に珍しいと思います。

アクティブファンドって何をしているのか、何を考えているのか外からは見えづらいのが一般的なので。

私は過去に10銘柄以上のアクティブファンドに投資していますが、「アクティブ投信の見える化」という意味では「ひふみ投信」はダントツだと思います。

話を戻しますが、日本経済新聞にも「時価総額の小さい小型株の下げが止まらない。」という内容の記事があったのですが、ここ最近は小型株が軟調のようです。

小型株指数、年初来安値に 投信流入の減速から思惑:日本経済新聞(2018/8/20)

三菱アセット・ブレインズのデータをもとに算出すると、中小型投信への資金流入は2017年は平均で月154億円だったが、18年は7月までで平均で月81億円にとどまる。流入減の背景には投信の募集停止があるとみられ、資金流入が止まるとみた投資家が「中小型株全体の上値が限定されるとみて売りを出した」(東海東京調査センターの鈴木誠一氏)。

中小型株を投資対象とする投資信託が新規の募集を停止したことが、中小型株の下落要因の1つになっているようです。

上のチャートは「TOPIX100(東証一部の大型株100銘柄)」と「TOPIXスモール(東証一部の小型株)」の過去1ヶ月のパフォーマンスの比較ですが、オレンジのラインの「TOPIXスモール(東証一部の小型株)」の方が下落幅が大きいです。

ただ、直近では小型株が盛り返しています。

こういう下落局面になると、狼狽売りをする人も少なくないと思いますが、日本のアクティブファンドでトップクラスのパフォーマンスを出してきた「ひふみ投信」の過去5年のチャートを見ると、停滞している時期があることに気づきます。

2015年7月〜2016年10月くらいまで約1年3ヶ月は停滞しています。

ここで積立を辞めなかった人は、その後の上昇の恩恵を受けることができました。私も現時点で28万ほどの含み益が出ています。

今は停滞期ですが「ひふみ投信 2018年8月度中間報告」によると、割高感がなくなった小型株に安値で仕込めていると報告があります。

ひふみ投信が次の上昇期に突入してくれることを期待しながら、引き続きコツコツ積み立てていきたいと思っています。

シャープレシオ(リターン ÷ リスク)とは

2018年8月の「ひふみアカデミー」の動画で「リスクとリターンで見ることが大切」ということで「シャープレシオ」について話していました。(37分ごろから)

動画では次のように語っています。

  • 単純に「リターン」だけを高くするのではなく、そこに至るまでの「リスク(変動)」をいかに小さくするかで投資信託の成績を評価していただけたらと思います。
  • 「シャープレシオ」は「年率リターン」を「年率リスク」で割ったもの。
  • 「シャープレシオ」が「1」を超えていると、リスク(変動)に対して効率の良い運用ができているということ。
  • 「シャープレシオを高める運用=守りながら増やす運用」を目指している。

「シャープレシオ」について調べてみたのですが、

◎シャープレシオ = (リターン-無リスク利子率) ÷ リスク(標準偏差)

という計算式で計算するそうです。

日本の場合、「無リスク利子率」は「無担保コール翌日物(現在は-0.053)」や「10年国債の利回り(現在は0.098)」を当てはめることが多いそうですが、今の日本はほぼゼロ金利なので、

◎シャープレシオ = リターン ÷ リスク(標準偏差)

のように、「無リスク利子率」を省いた計算でもOKのようです。

たとえば、リターンが「10」でリスクが「9」の場合、シャープレシオは「10 ÷ 9 = 1.11…」となりますが、リスクが「7」に下がると「10 ÷ 7 = 1.42…」とシャープレシオが上昇します。

つまり、シャープレシオが高いほど、「リターンに対してリスクが低い」もしくは「リスクに対してリターンが高い」と言えるようです。

逆に、リターンよりもリスクがの方が大きくなり、リターンが「10」でリスクが「11」の場合、シャープレシオは「10 ÷ 11 = 0.909…」と「1」以下になります。

というわけで、シャープレシオは「1以上=リターン>リスク」「1以下=リターン<リスク」となります。

機関投資家さんなどは、「トータルリターン」ではなく「シャープレシオ」を見て、「シャープレシオが高いか低いか」でその投資信託を評価するそうです。

ちなみに、「リスク(標準偏差)」と書いていますが、「標準偏差」とは「上下のブレ幅(変動幅)」のことです。

シャープレシオは1年という短期で見るのではなく、3〜5年以上の長期で見た方がいいそうです。(長期になればなるほどデータの信頼性が上がるため)

モーニングスターのサイトでは投資信託の「トータルリターン」「標準偏差」「シャープレシオ」を一覧で見ることができます。

上の画像は「ひふみ投信」のパフォーマンスです。

ひふみ投信」の過去5年のシャープレシオは1.65となっています。(20.9 ÷ 12.66 = 1.6508…)

これを見て、ふと「ひふみ投信と同じ中小型株に投資するアクティブファンドのパフォーマンスはどの程度なんだろう?」と思ったので調べてみました。

中小型株に投資する投資信託(アクティブファンド)のシャープレシオ比較(1年、3年、5年、10年)

以下は、中小型株を投資対象にしたアクティブファンドの1〜10年のシャープレシオの比較です。

他にもアクティブファンドはあるかもしれませんが、ここではパフォーマンスが良いものをいくつか取り上げてみました。

※2018年8月24日(金)時点
※過去5年のシャープレシオが高い順

投資信託 運用会社 純資産 信託報酬 シャープレシオ
1年 3年 5年 10年
中小型成長株ファンド-ネクストジャパン- SBIアセット 95億円 1.62% 3.49 1.97 2.25 0.92
東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン 東京海上 123億円 1.56% 3.92 1.70 1.76
MHAM 新興成長株オープン アセマネONE 722億円 1.84% 3.77 1.60 1.71 0.99
マネックス・日本成長株ファンド アセマネONE 58億円 1.59% 3.89 1.54 1.67 0.78
ひふみ投信 レオス 1420億円 1.06% 2.21 1.08 1.65
新光 小型株オープン アセマネONE 28億円 1.73% 2.77 1.13 1.59 0.93
MHAM 日本成長株オープン アセマネONE 334億円 1.67% 3.57 1.42 1.54 0.62
日興 グローイング・ベンチャーファンド 日興アセット 312億円 2.05% 1.84 1.38 1.24 0.67
SBI 小型成長株ファンドジェイクール SBIアセット 205億円 1.84% 1.80 1.26 1.15 0.67
小型株ファンド 明治安田アセット 235億円 1.84% 1.73 1.27 1.11 0.63
女性活躍応援ファンド 大和投資信託 478億円 1.57% 3.78 1.26
SBI 日本小型成長株選抜ファンド SBIアセット 35億円 1.46% 1.69 1.03
企業価値成長小型株ファンド アセマネONE 91億円 1.57% 2.35

純資産はダントツで「ひふみ投信」がナンバーワンですが、シャープレシオでは「ひふみ投信」より成績が良いアクティブファンドもあります。

ただ、過去10年になると、どのアクティブファンドもシャープレシオが「1以下」です。つまり、リターンよりもリスクの方が大きい(リターン<リスク)ということです。

信託報酬が高いので、長期で持つほどコスト負けしてしまうのでしょうか?

「ひふみ投信」の設定日は2008年10月1日なので、今年の10月に設定10年になります。

「ひふみ投信」の過去10年のシャープレシオが「1以上」になるのか注目したいと思います。

中小型株に投資する投資信託(アクティブファンド)の過去1年のトータルリターン

今年7〜8月は小型株のパフォーマンスが落ちていますが、過去1年のトータルリターンも確認してみました。

トータルリターンなので、リスク(標準偏差)は加味していないパフォーマンスです。

※2018年8月24日(金)時点
※過去1年のトータルリターンが高い順

投資信託 運用会社 純資産 信託報酬 トータルリターン
1ヶ月 3ヶ月 6ヶ月 1年 設定来
東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン 東京海上 123億円 1.56% 3.62% 13.22% 18.92% 50.03% 221.79%
日興 グローイング・ベンチャーファンド 日興アセット 312億円 2.05% -2.65% -0.30% -9.24% 46.79% 403.86%
小型株ファンド 明治安田アセット 235億円 1.84% -3.45% -1.96% -10.83% 45.21% 497.44%
SBI 小型成長株ファンドジェイクール SBIアセット 205億円 1.84% -3.32% -1.45% -9.60% 43.45% 71.97%
マネックス・日本成長株ファンド アセマネONE 58億円 1.59% -0.04% 7.06% 5.10% 42.96% 216.55%
女性活躍応援ファンド 大和投資信託 478億円 1.57% -1.32% 2.20% 4.90% 42.45% 113.91%
MHAM 新興成長株オープン アセマネONE 722億円 1.84% -0.37% 5.89% 3.63% 40.96% 206.79%
MHAM 日本成長株オープン アセマネONE 334億円 1.67% 0.89% 3.61% 1.32% 39.46% 105.39%
SBI 日本小型成長株選抜ファンド SBIアセット 35億円 1.46% -3.28% -2.09% -9.23% 34.65% 115.95%
企業価値成長小型株ファンド アセマネONE 91億円 1.57% -1.89% 6.67% -0.10% 33.82% 92.27%
中小型成長株ファンド-ネクストジャパン- SBIアセット 95億円 1.62% -0.73% 3.66% 2.56% 30.86% 257.88%
新光 小型株オープン アセマネONE 28億円 1.73% -1.67% 1.13% -1.39% 26.79% 292.07%
ひふみ投信 レオス 1420億円 1.06% -1.46% -0.59% -3.34% 19.09% 412.05%

過去1年のトータルリターンを見ると、「ひふみ投信」はワーストですが、設定来だと2番目です。

これを見ると、ここ1ヶ月でトータルリターンがプラスのアクティブファンドは2つしかありません。

やはり、ここ最近の中小型株のパフォーマンスは厳しかったようです。

ただやっぱり、「リスク(ブレ幅)」を加味しないトータルリターンだけで判断しない方がいいみたいです。

というのも、私のバイブルとなっている「月光! マネー学」によると、「リスク(ブレ幅)」が大きい運用になるほど、投信のパフォーマンス(成績)は悪くなるそうです。

「6割上昇/5割下落」よりも「3割上昇/2割下落」とブレ幅(=リスク=標準偏差)が狭い方がパフォーマンスが良くなっています。

投資信託選びはリターンだけでなく、リスク(標準偏差)もしっかり見ていかないとダメなようですね。

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