株価下落時こそ思い出したいドルコスト平均法、暴落時に積立投資を辞めない方がいい理由

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今年1月下旬から株価下落局面が続いていますが、年初に比べて私の含み益もだいぶ減ってきてしまいました。

上のチャートは米S&P500の約2年間の週足チャートですが、水色のラインが13週移動平均線(過去3ヶ月の平均値)、紫のラインが26週移動平均線(過去6ヶ月の平均値)です。

1月21日の週から下落が始まり、一旦、26週移動平均線に支えられますが、その後さらに下落して、現在は26週移動平均線を割っています。

ドル円も年初からすると円高状態なので、海外銘柄は「株安」「ドル安(=為替差損)」のダブルで下落状態です。

たとえば、米国の個別銘柄に毎月1000円ずつ積立している「One Tap BUY」は投資開始してから8ヶ月が過ぎましたが、現在は含み損状態となっています。

ただ、私の場合、積立がメインとなっていますので、株価が下落したということは、以前よりも安く買えているということにもなります。

為替にしても、現在の円高時で積み立てていれば、将来、円安になった時に今度は「為替差益」がのってきます。

積立投資は「株価」や「為替」の高値づかみを避けることができますし、時間の経過とともに「ドルコスト平均法」が効いて、「株価」が安い時に多く買い、高い時に少なく買うことによって、長期で見ると平均取得単価を下げられるというメリットもあります。

ドルコスト平均法とは

投資で利益を出すには、安値で買って高値で売る必要がありますが、今の株価が安いのか高いのかは、その時点では分かりません。

後から振り返って、「あの時は安かったのか〜、買っておけばよかった。。」とタラレバすることはよくありますが・・・。

そんな時でも買い逃しをなくし、かつ平均取得単価を低く抑えられるのが積立を使った「ドルコスト平均法」です。

英語では「Dollar Cost Averaging(DCA)」と言いますが、動きが読みずらい為替相場でドルの取得価格を平準化(平均化)するために編み出された手法としてこんな名前になったという説明を何かの本で読んだ記憶があります。

ウォール街に伝わる格言に「落ちてくるナイフはつかむな」というものがありますが、積立による「ドルコスト平均法」を長期に渡ってすると、また違った景色が見えてきます。

簡単なシュミレーションをしてみます。

5ヶ月間、毎月1万円を積み立てした場合、株価の動き(A〜E)によって以下のように損益が変わってきます。

毎月1万円を積み立てた場合
1ヶ月目 2ヶ月目 3ヶ月目 4ヶ月目 5ヶ月目
<現在の株価>
平均取得単価 現在の損益
A 10000 10000 10000 10000 10000 10000 ±0
B 10000 9000 8000 9000 10000 9200 +800
C 10000 9000 8000 9000 12000 9600 +2400
D 10000 11000 12000 13000 14000 12000 +2000
E 10000 9000 8000 7000 6000 8000 -2000
  • A:ずーと横ばい
  • B:一旦下がるが、積み立て開始時の価格まで戻る
  • C:一旦下がるが、積み立て開始時の価格を上回る
  • D:ずーと上昇
  • E:ずーと下落

株価が下がると不安になりますが、「下げたけど戻す(B)」「下げたけどより上がる(C)」といったパターンでは損益はプラスになっています。

下落時に未来を信じて種をまくことの重要性を感じます。

また、「ずーと上昇(D)」よりも「下げたけどより上がる(C)」の方が損益のプラスが大きいのもポイントだと思います。

ドルコスト平均法が効かないのは、ずーと株価が下がり続けて(E)、結果的に無限ナンピン状態になってしまった時です。

どんなに平均取得単価を下げても、現在の株価がそれを下回っていれば損益はプラスにはなりません。

一番最悪なのが、無限ナンピンの結果、上場廃止というパターンです。

なので、ドルコスト平均法は個別銘柄に対してではなく、指数に連動した投資対象(投資信託やETF)に向いた投資法と言えるでしょう。指数には上場廃止という概念はありませんから。

特に、投資信託は「毎月自動積立」が設定できるので、ドルコスト平均法に一番向いているのは低コストな投資信託だと思います。

SBI証券で行う「つみたてNISA」なら、毎日積立も設定できるので、私は「つみたてNISA」で低コストインデックスファンドを毎日積み立てています。

書籍から学ぶドルコスト平均法(=積み立て投資)

ドルコスト平均法(=積み立て投資)については、多くの書籍でも触れられています。

ここからは、私が読んだ本ですごく勉強になった本の中から、ドルコスト平均法(=積み立て投資)についての記述を引用したいと思います。

ものぐさ投資術 (PHPビジネス新書)
ものぐさ投資術 (PHPビジネス新書)

モーニングスター社長の朝倉智也さんの本です。セミナー動画なども見たことがありますが、朝倉さんは説明がお上手だといつも思います。

毎月「定額」で買い続けるというのも、重要なポイントです。値動きのある金融商品を一定額ずつ買い続けるということは、「高いときには量を少なく、安いときには量を多く」買うことになります。この方法なら、投資の失敗にありがちな「これから値上がりしそうだと思って買ったら、ピークで高値のときに買ってしまった!」という、いわゆる「高値づかみ」を防ぐことができるわけです。
なお、「安いときに多く買うことになる」のも、定額積み立ての重要なポイントといえます。
自分で値動きをチェックして売買タイミングを計ろうとすれば、一般的には「値下がりしたものは怖くて買えない」と考えがちです。しかし、定額積み立て投資は、毎月「同じ金額」を買っていくことがミソです。
つまり、たてば定額積み立てで「株」に投資した場合、株価が大幅に下落してしまっても、その分、多くの株数を買えるのです。「安いときほど多く買う」わけですから、株価が上昇する局面では、より多くのリターンが期待できることになります。
また、積み立てを継続するうちに「平均の買い付け単価」を抑える効果も期待できます。タイミングを見て「安く買う」のは難しくても、つねに一定額を買い続けていれば、相場が下がったときにより多く買うことができますから、「買い付け単価を抑える」ことが可能だということです。
定額積み立ては、多くの人が狼狽するような相場の下落局面でも、「たくさん買えてうれしい」とホクホクできる投資法だともいえるでしょう。
つまり、相場が下落しても「心穏やか」であることができるのです。

お金は寝かせて増やしなさい
お金は寝かせて増やしなさい

インデックス投資ブロガーの先駆者・水瀬ケンイチさんの最新作です。

毎月購入するので、購入価格が平準化され、市場が最高値のときにまとめて投資してしまうことや、最安値のときに買い損ねてしまうことを避けることができます。
また、市場が変動していくなかで、毎月同じ金額で購入していくので、株価が高いときには少ない量の投信を買い、株価が低いときには多くの量の投信を買うことになります。そのおかげで、一定の数量を定期的に購入する方法よりは平均購入価格を下げることができます。

ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理
ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理

インデックス投資家のバイブル的書籍です。初版が1973年ですから45年間もずーと世界で読み継がれている本です。

あのウォーレン・バフェットは、ドル・コスト平均法のメリットを次のようにわかりやすく説いている。

第一問:あなたは死ぬまで毎日ハンバーガーを食べ続けたいと思っているが、牛肉の生産者ではありません。牛肉の値段は高いほうがいいですか、それとも安いほうがいいですか。答えは言うまでもなく、安いほうがいいでしょう。

第二問:あなたは今後五年間の収入のある部分を貯蓄し続ける予定で、それを株式投資に振り向けます。株価は高いほうがいいですか、それとも安いほうがいいですか。今度は、多くの人は答えを間違えます。自分たちは当分株式を買い続ける立場なのに、株価が上昇すれば元気になり、下落すれば意気消沈するのです。これでは、これからハンバーガーを買いに行くのに、値上がりを歓迎するのと同じで、全く馬鹿げています。株価が上がって喜ぶのは、今から売ろうとしている投資家だけで、買い続けようとするなら下がり続けるほうを喜ぶべきなのです。

たとえ空にどんな暗雲が垂れ込めていても、ドル・コスト平均法のメリットを享受するためには、信念を持って投資し続けなければならない。新聞の金融欄が恐ろしいニュースであふれて悲観論一色になっていても、自動継続投資プランは中断してはいけない。というのは、もしやめてしまえば、株価が暴落してまたとないバーゲン価格で追加の株が入手できるという、このアプローチの最大のメリットを放棄することになってしまうからだ。どんな相場環境下でも買い続けることによって初めて、あなたの平均購入単価が平均株価よりも低くなるのだ。なぜかと言うと、この方式の下では株価が安い時にはより多く、高い時にはより少ない株数を購入することになるからである。

不透明な10年後を見据えて、それでも投資する人が手に入れるもの
不透明な10年後を見据えて、それでも投資する人が手に入れるもの

日本興業銀行、JPモルガン・チェース、メリルリンチ、リーマン・ブラザーズと渡り歩き、現在は経営コンサルタントをしている岩崎日出俊さんの本です。この本はちょくちょく読み返しています。

リーマンショック後の半年間(2008年9月〜翌年3月)のような相場のボトム時には「まだもっと下がるのではないか」との恐怖感が支配してしまう。一方、相場が高騰している時には根拠もなく強気になって買いに走り、高値掴みしてしまう。
であれば、機械的に株式を買うタイミングを分散させてしまったほうがいい。人間は感情に支配されやすい動物であるが、売り・買いのタイミングから感情を排除してしまうのだ。いわゆる「ドル・コスト平均法」という手法である。

月光! マネー学
月光! マネー学

日経新聞の記事を書いている田村正之さんの本です。2008年出版なので、現在とは税制などに違いがありますが、この本からは学ぶことが多いです。隠れた名著だと思います。

例えば日経平均株価。2000年のITバブル崩壊以降、当時2万円だった株価のころから2007年末の1万5307円まで22%下がりました。
同時期、日経平均株価という銘柄があったと考え、これを毎月一定の学を購入し続けていたらどうなるか試算しました。すると、2007年末までに株価自体は22%下がったにもかかわらず、購入金額に足して、23%の利益が出る結果になりました(図表27)。

例えば毎月3万円ずつ買う場合、その金額で日経平均という名前の銘柄を何株買えたかを考えてみます。
すると日経平均が2万円なら1.5株買え、1万5000円なら2株変えます。2003年のように日経平均が8000円前後に下がったときなら、3.75株買えます。
このように、金額を固定すると、株価が高いときには少しの量しか買えず、株価が安いときにはたくさん買えることになります。
こうして株を買い続けていくと、2007年末には総投資額288万円(3万円 x 12ヶ月 x 8年)を投じて、約231.9株を買うことになり、1株あたりの平均取得単価は1万2421円になります。
一方、2007年末時点での試算は231.9 x 1万5307円(2007年末の株価)で約355万円。総額投資に比べて約23%の利益が出ていることになります。

ドルコスト平均法はどんなときでも無条件に有利というわけではないということです。
なぜさきほど日経平均やソフトバンクの例で、株価自体はスタート時点より低いのに利益が出ているのか。今より株価が低い時期にも、こつこつと買い続けたからであり、しかも金額が一定なので株価が低い時期にたくさん買えたからです。その後、株価が上向けば、大きなリターンが得られることになります。
「その後、株価が上向けば」というのが大きなポイントです。株価が下がったときにたくさん買いつけ、その後も株価が下がりっぱなしになれば、たくさん買った分だけ損失が大きくなります。リスクの集中を招くのです。
ナンピン買い(株価が下がったときに平均購入コストを下げるために買い増すこと)の後でさらに株価が下がって傷口を広げるのと同様の結果になるわけです。

ほぼ確実に世界の経済成長があなたの財産に変わる最も賢いETF海外投資法
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この本も2008年出版と今から10年前の本ですが、この本を読み返した時に、「WealthNavi(ウェルスナビ)」や「THEO(テオ)」といったロボアドへの投資を決めました。

私たち投資家が「時間」を味方につけて、リターンを手にする運用方法があります。それが、「定時定額投資(ドル・コスト平均法)」です。これは、投資のタイミングを分散することで”時間”による分散効果を狙うものです。

この相場の中で、いつが底でいつが天井かを見極めることは極めて難しいのです。相場が下がり基調の時はまだまだ下がり続ける気がして不安になりますし、上昇が長く続いているとまだ上がる気がするものです。
従って、投資のタイミングをとらえて、リターンを高めようとする手法は、なかなか難しく、仮にうまくいったとしても再現性のある手法かどうかは疑わしいと考えられます。

貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント―ノーベル賞学者とスイス人富豪に学ぶ智恵
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この本も上の本と同じ北村慶さんの本です。2006年出版と古い本ですが、株式投資の本は古い本の方が骨太なものが多いという印象があるので、私は古い本でも買って読むようにしています。私が知らない歴史も知ることができますし。

日経平均はバブル期のピークである1989年12月29日の3万8915円から下がり続け、2003年4月28日には7607円の最安値を付けました。
これが、16年かかって、1万5000円まで戻ったわけです。この期間、国内株式に投資して利益を上げることは可能だったでしょうか?

仮に、ピークの1989年12月から2005年の11月までの192ヶ月間、毎月1万円だけ、日経平均を休まず買い続けたとしたらどうでしょうか?
ピークの1989年12月には1万円÷3万8915円=0.26単位、最安値の2003年4月28日には1万円÷7607円=1.31単位の日経平均が購入できたことになります。
こうして、192ヶ月(16年間)では、合計192万円を投資し、125単位を買ったことになります。平均購入単価は約1万5360円です。
つまり、今後、日経平均が1万5300円以上になれば、いつでも利益が出ることになり、この意味で”失われた15年”は取り返せたことになるわけです。
この例から、「何も考えずに単純に1万円ずつ購入する」というこの「ドル・コスト平均法(提示定額投資)」が、右肩下がりの時でも利益を得ることができる優れた手法であることがお分かりいただけると思います。まさに、「継続は力なり」なのです。

株式投資 第4版
株式投資 第4版

ジェレミー・シーゲルの本は「株式投資の未来」の方が有名で読んでいる人も多いと思いますが、こちらも名著だと思います。分厚いから読むのが大変なのですが。。

ラスコスの助言に従い、毎月15ドルの投資を辛抱強く続けていれば、実は4年以内に短期国際を超える利回りを手にすることができたのだ!投資元本は1949年には9000ドルにまで膨らみ、年率利回りは7.86%と、債券の2倍以上になっていた。30年後には6万ドルを超え、年間利回りは12.72%に上昇したはずだ。
ラスコスが予想した利回りには及ばないが、この30年にわたる株式投資によるトータルリターンは長期国債の8倍以上、短期国債の9倍以上であった。株価暴落の危険性を理由に株式投資を拒んだ投資家たちは、辛抱強く株式を買い増していった投資家に大きく遅れをとったのである。

過去100年にわたり、株式への投資利回りが常にそのほかの金融商品を上回っていたということだ。1929年の大暴落のときでさえ、株式への長期投資の優位性は変わらなかったのである。

私は投資を開始した頃、株価下落局面で投資信託の積立を辞めてしまったことがあって、今はそれをすごく後悔しているので、同じミスはしないようにしたいと思っています。

積立は一度設定してしまえば、あとは放ったらかしで「ドルコスト平均法」や「配当再投資」を自動で行えるので、ラクでいいですね。

ただ、毎月分配型の投資信託だと「配当再投資」は行なえませんが。

リーマンショック前の高値圏で退職金2000万円をNYダウに一括投資していたら・・・

2008年9月15日にリーマンショックが起こりましたが、NYダウはリーマンショック前の高値まで戻すまでに5年5ヶ月ほどかかっています。

仮に、65歳で退職して、退職金2000万円をリーマンショック前の高値圏で一括投資していたら、この人は5年半もの間、含み損に絶えなければいけなくなります。

65歳から70歳まで含み損に耐えながら胃が痛くなる毎日・・・5年半の間ずーと後悔する日々ですから、想像するだけでもゾッとします。。

明るい老後なんてあったもんじゃありません。。

でも、毎月30万円の積立で買っていたら、5年5ヶ月の投資額は1950万円(30万 x 65ヶ月)になりますが、リーマンショック前の高値まで戻す前に「ドルコスト平均法」が効いてきて、途中で「含み損」状態から「含み益」状態に変わっているはずです。

そして、リーマンショック前の高値に戻した頃には、かなりの含み益が出ているはずです。

面倒なので計算しませんが、これだけ下落しても積立を辞めなかったわけですから、5年5ヶ月後の含み益は相当なものだと思います。

一括投資した人と違って、少なくとも金銭面に関しては明るい老後が待っていそうです。

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