配当再投資の積立で複利を味方に付けてお金がお金を産むサイクルを作る

Pocket

毎月分配型などではなく、配当を再投資に回す投資信託を積立していくと「複利効果」を享受できます。

長期になればなるほど、複利の恩恵を多く受けられます。

複利を味方に付けると、お金がお金を産む(お金が働いてお金を稼いでくれる)サイクルを作れますが、逆に敵に回すと借金がどんどん増えてしまうサイクルを作り出してしまいます。

投資信託の自動積立設定をしておけば、「ドルコスト平均法」と「複利」の両方を同時に享受できるので、私はこの投資スタイルを今はメインにしています。

単利と複利の違い

複利のすごさを認識するには、単利との違いを把握することから始まります。

たとえば、銀行預金の金利が5%だとします。

現在の銀行では、普通預金の金利が0.001%、定期預金でも0.01%とほぼゼロですが、1980年代の日本では1年定期で5.5%、2年定期で6%ほどの金利が付きました。

その代わり、住宅ローンの金利は9%、アパートローンの金利は10%ほどと高かったようですが。

銀行預金の金利が5%だとして、100万円を預金すると1年後には5万円(100 x 0.05 = 5)の利息が付き、合計で105万円になります。(実際には20.315%の税金が利息から引かれるのですが、ここでは税金は考慮しません。)

単利の場合、この利息5万円を引き出して、100万円に戻して2年目以降も預金します。(投資信託でたとえるなら毎月分配型)

複利の場合、利息5万円を引き出さずに、105万円のまま預金を続けます。(投資信託でたとえるなら配当再投資)

すると、2年目の利息は単利だと1年目と同じ5万円(100 x 0.05 = 5)ですが、複利だと利息は5万2500円(105 x 0.05 = 5.25)になります。

これを3年目以降も繰り返すと、30年で以下のようになります。

100万円を5%の金利で複利運用すると、16年目で2倍になり、24年目で3倍になり、30年目で4倍になり、お金がお金を産むサイクルが作られています。

30年間とくに何もせず、放ったらかしにしているのに、預金額は4倍になりました。まさに、お金が働いてお金を稼いでくれている状態です。

一方、単利は30年後も100万円のままです。その代わり、毎年引き出した利息5万円で美味しいものを食べたり、流行りの洋服を買っていたりしているかもしれませんが・・・。

ちなみに、エクセルで「=ターゲットセル*(1+0.05)」と関数を入力すると、簡単に5%の複利計算できます。

今回の例だと、以下のような手順になります。

  1. C2に100と入力(100万円の場合)
  2. C3を選択
  3. =C2*(1+0.05)と関数を入力(金利5%の場合)
  4. C3のセルをコピー
  5. C4から下のセルにひたすらペースト

今度は上のエクセルのデータを棒グラフにしてみます。

棒グラフでみると、10年目くらいまではそれほど差を感じませんが、20年目になるとだいぶ差が大きくなっています。

さらに、20年目以降は、単利と複利の差は広がる一方です。

ここでふと思ったのですが、「つみたてNISA」の期間20年って、実はけっこう微妙なんじゃないかと。

なぜなら、期間20年だと売却タイミングは15〜20年くらいになると思いますが、15〜20年目ってちょうどこれから複利効果が乗ってくる重要な時期だからです。

非課税にとらわれて、ここで売却してしまうのはすごくもったいないような気がします。

ここで踏ん張れるか、踏ん張れず売却してしまうかは、その後の資産形成にかなり影響するような気がします。

「つみたてNISA」の期間は30年くらいあった方がいいのではないでしょうか。

年36万円を30年間積み立てた場合

年36万円(月換算で3万円)を30年間積み立てた場合の「単利」と「複利(3%、5%、7%、10%)」の違いもグラフにしてみました。

本当なら毎月3万円を積み立てる設定で計算したかったのですが、エクセルの作業が大変になってしまうので、年初に36万円を投資した設定で計算しています。

元本は1080万円(36万 x 30年 =1080)ですが、30年後の年率ごとの残高の違いは以下のようになります。

  • 年率3%:1712万円(+632万円/1.58倍)
  • 年率5%:2391万円(+1311万円/2.21倍)
  • 年率7%:3400万円(+2320万円/3.15倍)
  • 年率10%:5921万円(+4841万円/5.48倍)

年初に世界銀行が世界の実質成長率予測を3.1%と公表したので、年率3%の複利運用なら実現性は高いのではないでしょうか?

世界銀行が公表している過去のGDP成長率は以下のグラフで確認できますが、1980年以降は4.6%がMAXになっています。

年率5%になると簡単ではなさそうですが、世界の株式と債券に50%ずつ投資する「セゾン バンガード・グローバルバランスファンド」の過去10年間のトータルリターンは4.19%なので、可能性はありそうです。

年率10%となると、ほとんど無理のような気がしますが、ひふみ投信の過去5年間のトータルリターンは22.87%です。

こうやって見ていくと、複利の持つパワーはすごいことが分かりますが、この複利効果を敵に回すと資産形成どころか、借金地獄に陥ってしまいます。

たとえば、消費者金融で金利15%前後でお金を借りたら、返済期間が長引けば長引くほど、なかなか借入金が減らなくなってしまいます・・・。

クレジットカードのリボ払いも同様です。ポイントが付くからとカード払いを選んでも、リボ払いしていたらポイント還元率よりもリボ払いの利率の方が高いので、マイナス方向に複利効果が効いてきます。

複利計算する時の計算機の使い方

計算機を使うと、簡単に複利計算ができます。

たとえば、100万円を年率5%で複利運用して、10年後の残高をチェックする場合なら、「100 x 1.05 =」と打ってから(2年目算出)、「=」を8回連続で打てば、10年後の残高(155.13…)をチェックできます。

書籍から学ぶ複利

複利については、多くの投資系の書籍でも触れられています。

ここからは、私が読んだ本ですごく勉強になった本の中から、複利についての記述を引用したいと思います。

臆病者のための株入門 (文春新書)
臆病者のための株入門 (文春新書)

難しいテーマでも独自の切り口でわかりやすく説明してくれる橘玲さんの本です。

お金を銀行の定期預金に預け、利息だけを現金で引き出すひとはめったにいない。利息をもういちど預けなおしたほうがずっと得なことを知っているからだ。
話を簡単にするために、10万円を年利10%の定期預金に預けたとしよう。そうすると、1年後には1万円の利息が払われる(元金10万円×金利10%=1万円)。この利息を毎回現金で受け取ると10年間で10万円だから、元金と合わせてお金は20万円に増えているはずだ(買い物で使ってしまわなければ)。
次に、この利息を現金で受け取らず、そのまま同じ定期預金に預けていくとしよう。1年目の利息は同じ1万円だから、それに元金を加えて、2年目の運用は11万円(元金10万円+利息1万円)からスタートする。すると2年目の終わりには1万1000円(元金11万円×金利10%)の利息が払われることになるはずだ。同じように3年目の元金は12万1000(元金11万円+利息1万1000円)で、その年の終わりに支払われる利息は1万2100円(元金12万1000円+金利10%)、4年目の元金は・・・となり、10年後の口座残高は約26万円になる。
利息を毎年引き出していると(これを「単利」という)、お金は20万円しか貯まらなかった。ところがその利息を銀行に預けなおせば、それだけで10年後の口座残高は26万円になった。利益を元金に組み入れることで、なにもしないのにお金が6万円も増えてしまったのだ!

貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント―ノーベル賞学者とスイス人富豪に学ぶ智恵
貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント―ノーベル賞学者とスイス人富豪に学ぶ智恵

2006年と今から12年前に出版された北村慶さんの本です。筆者は今は何をしているのでしょうか?ブログなどやっていたら読みたいのですが、見つかりませんでした。

かのアインシュタインは、「数学における最も偉大な発見の一つは、複利の発見である」と言っています。また、ロスチャイルドは、世界の七不思議とは?と訊かれた時、「それは分からないが、8番目の不思議が複利である、というのは確かだ」と答えたそうです。
確かに、複利の力はパワフルです。
45歳のあなたが15年間で2000万円、35歳のあなたが25年間で2500万円を蓄えるためには、単純計算で、それぞれ年間133万円(2000万円÷15年)、100万円(2500万円÷25年)を積み立てる必要があります。
ところが、これを複利で運用すると、ずっと少ない金額で目標に届くのです。

敗者のゲーム〈原著第6版〉
敗者のゲーム〈原著第6版〉

ウォール街のランダム・ウォーカー」と同様に、インデックス投資家に人気の本です。

人類の最大の発見は「複利の考え方」だと、アルベルト・アインシュタインは言っている。
図8-2は、期間別複利計算における1ドル当たりの投資効果を示したものである。これは十分研究に値するもので、時間がいかに大きな力を発揮するかを示している。時間が証券運用の「アルキメデスの梯子」であるゆえんである。

すでに強調してきたように、複利の効果は驚くほど強力である。それを物語る中東のおとぎ話がある。1人の王様が自分の帝国の危機を救った将軍に感謝して、「何でも望みどおりの褒美をとらせよう」と言った。
将軍は遠慮深く、チェッカー盤(縦横8マス)の1マスに小麦1粒、次のマスに2粒、第三のマスに4粒、次は8粒と順番にマスを埋めてください、とだけお願いした。
王様は莫大な褒章を与えずにすみそうだと思い、喜んでこの提案を受け入れた。不幸なことに、王様は複利効果の恐るべき力を知らなかった。どんなものでも64回倍増させれば、際限なく膨れ上がる。
この話では、1粒から始めて2倍、4倍とチェッカー盤を埋めていった小麦の総量は、帝国全体の富をはるかに超えるものであった。

今こそ知りたい資産運用のセオリー
今こそ知りたい資産運用のセオリー

大学教授をしながら、自分でも株式投資やFXを使った為替ヘッジ、不動産投資をしている竹中正治さんの本です。竹中正治の本はどれもすごく勉強になります。

豊臣秀吉が手柄をたてた新左衛門と言う家臣に、褒美に何が欲しいかと問う。すると新左衛門は、「本日に米1粒、明日に2粒、その翌日に4粒と毎日米の数を倍にしながら、1ヶ月、31日間頂戴したい」と言う。秀吉は「がっはっは」と笑って「欲のない奴じゃ、その通り褒美を取らす」と答える。しかし、ひと月足らずで城の巨大な米蔵は空となり、秀吉は青ざめた。

1日目 1粒=1
2日目 2粒=1+1
3日目 4粒=(1+1)²
4日目 8粒=(1+1)³
5日目 16粒=(1+1)⁴
・・・・・・
31日目 1,073,741,824粒=(1+1)³⁰

1,073,741,824粒÷100粒×3グラム=32.2トン

白米100粒が3グラムとして計算すると、31日目に新左衛門が受け取る米は32.2トンとなり、31日間の累積では64.4トンになる。ちなみに、48日目には累積で844万トンとなり、現在の日本の総収穫量(870万トン、2004年)に匹敵する規模になる。

自分の人生に複利の考え方を取り入れて、時間を味方にしながら成長していきたいものです。

Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です