財務省、海外で5年以上居住しても相続税が課税できるように変更検討

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私は去年から投資を開始したのですが、去年から投資関係の本をたくさん読んでいます。

このブログを開設した当初は「勉強のために読んだ本」カテゴリに本の感想を書いていたのですが、最近は忙しくてなかなか書けていません。。

今年に入っても、かなりの数の本を読んでいるのですが、「2016年に一番おもしろかった本はどれですか?」と聞かれたら、間違いなく「プライベートバンカー カネ守りと新富裕層」と答えます。

プライベートバンカー カネ守りと新富裕層
プライベートバンカー カネ守りと新富裕層

この本、最初は節税関係の小説かと思って買ったのですが、実は実在の人や場所が出てくるノンフィクションみたいな本です。

会社を売却してグラビアアイドルと結婚してシンガポールに移住した人の話などが出てきます。

私もシンガポールには何度か行ったことがありますが、自分が行ったことがある場所やホテルなどが出てきて、そういう楽しみもありました。

さて、この本の冒頭で、日々退屈な生活を送りながら、シンガポールでの生活が5年以上になるのを待っている富裕層が出てきます。

シンガポールは日本よりも娯楽が少ないですし、日本語が通じる場所も少ないですから、どんなにお金を持っていても、英語が喋れない人には苦痛なようです。

では、なぜシンガポールで5年以上生活する必要があるのか?

それは、相続税の課税から逃れるためです。

現状の法律では、相続人と被相続人が海外に5年超居住している場合、海外資産には相続税がかからないようになっています。

日本の相続税は、世界最高峰に高いので、家族にお金を残したいと考える富裕層は、海外移住して5年経過するのをひたすら待つという節税法があるようなのです。

私も「プライベートバンカー カネ守りと新富裕層」を読んで初めて、そんな節税法を知りました。

しかし、先日の日経新聞でこの節税法が通じなくなる記事が出ていました。

相続税逃れの海外移住に網 政府・与党検討 居住5年以上にも課税:日本経済新聞(2016/10/21)

政府・与党は海外資産への相続課税を抜本的に見直す方針だ。相続人と被相続人が海外に5年超居住している場合、海外資産には相続税がかからないが、課税できるようにする。税逃れに歯止めをかける狙いだ。

資産が数十億以上の富裕層の中には「租税回避のためにシンガポールなどに資産を移し、5年を超えるように海外に住む人がいる」(都内の税理士)という。財務省は日本国籍を保有する人や10年以上海外に居住していない人には海外資産にも相続税をかける案などを検討する。

どうやら、現状の5年から10年に変更することが検討されているようです。

この記事を読んだ、シンガポール在住の富裕層はびっくりしたでしょうね・・・。5年でも十分に長いのに、さらに倍ですから。。

それにしても、「プライベートバンカー カネ守りと新富裕層」を読むと、桁違いの金持ちが出てきて、自分との世界の違いに驚かされます。

また、以下の本はフィクションですが、こちらもかなり楽しめました。

税金亡命
税金亡命

この2冊を読むと、税金関係の法律に詳しくなれます。

しかし、税制はナマモノです。常に変わっていきます。

先日発売された「週刊ダイヤモンド」を読むと、国税が富裕層から税金をたくさんとることに必死になっていることが分かります。

週刊ダイヤモンド 2016年 10/8 号 [雑誌] (国税は見ている 税務署は知っている)
週刊ダイヤモンド 2016年 10/8 号 [雑誌] (国税は見ている 税務署は知っている)

2014年から富裕層に対しての課税が以下のようにかなり厳しくなっています。

  • 2014年〜:国外財産調書制度
    5000万円を超える国外財産(預金、土地、建物、有価証券、自動車など)を保有する個人は提出が義務。
  • 2015年7月〜:国外転出時課税制度(出国税)
    1億円以上の有価証券(株、債券)を保有している場合、譲渡したと見なして課税。
  • 2015年7月〜:超富裕層監視プロジェクト
    富裕層を監視する国税マンの人員増加。
  • 2016年〜:財産債務調書制度
    国内・海外問わず、「所得2000万円超かつ総資産3億円以上」または「有価証券等1億円以上」を保有する個人は提出が義務。
  • 2018年〜 自動的情報交換制度
    海外の税務当局間で金融口座情報を交換する制度。

ここ数年の流れを見ると、日本は法人からではなく、個人から税金をたくさん取る方向に変えてきていることが分かります。

法人税は低くなっていますが、富裕層を狙った個人に対する課税は厳しくなっています。

法人税を安くして、海外企業を呼び込みやすくして、雇用を増やす。そして、お金をたくさん稼いでいる個人から多くの税金を取る。

富裕層は数が少ないので、選挙の票にもあまり影響はないでしょうし、お金を取りやすい人から取ろうという方針なんでしょう。お金持ってない人から税金取れませんから。

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