市場平均を上回ろうとするアクティブファンドは敗者のゲーム

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インデックス投資家の間でバイブルとなっている書籍の1つ「敗者のゲーム」を読んでみました。

敗者のゲーム〈原著第6版〉
敗者のゲーム〈原著第6版〉

原題は「Winning the Loser’s Game – Timeless Strategies for Successful Investing」です。

私は英語が得意ではないので間違っているかもしれませんが、原題を日本語に訳すと「敗者のゲームに勝つ 〜 投資を成功させる永遠の戦略」みたいな感じでしょうか・・・。

私は最初、「敗者のゲームの”敗者”とは誰を指しているのか?」と思ったのですが、どうやら「市場平均に勝とうとするファンドマネージャーや機関投資家」のことを指しているようです。

なので、「敗者のゲーム」とは「市場平均を上回ろうとするファンドマネージャー達によって演じられるゲーム(アクティブ運用)」ということになります。

で、その「敗者のゲーム」に勝つためには、コストの安いインデックスファンドがいいと著者のチャールズ・エリスさんは言ってます。

本書の位置付けとしては次のようになっています。

  • アクティブファンド(市場平均に勝とうとする) = 敗者
  • インデックスファンド(市場平均) = 勝者

なので、原題「敗者のゲームに勝つ 〜 投資を成功させる永遠の戦略」は「アクティブファンドに勝つインデックスファンド 〜 投資を成功させる永遠の戦略」と意訳できるかもしれません。

著者のチャールズ・エリスさんの日本語インタビュー記事をいくつか見つけました。

特集 『敗者のゲーム』著者チャールズ・エリス氏インタビュー、「誰もが勝者になれる投資とは?」

運用の世界に関して言えば、第一に市場のベンチマークを上回ろうとしていくつかのミスをおかしてしまう人がいるということだ。ミスをするかしないかによって、非常に良い結果になるか、悪い結果になるか、市場平均を上回るか下回るかが決まる

もう1つはコストだ。平均的な資産運用者は、コストを考えるとベンチマークを下回ってしまう。市場が厳しい環境にあり、運用担当者が常に勝ち続けるのが難しいなかではフィー(手数料)が安いことが決定的な要因として浮上してくる

運用に関わる私の知識を集約して明らかとなったのは、市場では有能な専門家や運用担当者、投資家がすべて集まってプライス(価格)を作り出しており、これらのプライスを結集したものがインデックスということだ。こうした市場のプライスは信頼に足りるものであり、非常に分かりやすい。インデックス投資はコストが低いにもかかわらず、価値の高い投資法であり、時間とコストの節約にもなる。インデックス投資にマイナス面はほとんどない。エキサイティングな投資でないのは確かだが、飛行機に乗る際に興奮するような飛行を望まないのと同じように、退屈でも安全な方がよい

正しい投資の始め方 ~ 『敗者のゲーム』著者チャールズ・エリス氏講演、「30年持ちこたえるポートフォリオの構築を」

機関投資家のポートフォリオの80%はほとんど常にインデックスファンドで真似することができる。残りの20%だけがその運用会社の独自の部分であり、そのためだけに個人はフィー(手数料)を払わなくてはならない

私達にとって重要なのは、過去の投資成果は将来どこの会社がうまくファンドを運用するかを語るものではないということだ

市場平均を上回ることを考えると失敗する

人の値打ちを決めるのはどのような能力を持っているかではなく、何を選択したかで決まる

チャールズ・エリス氏が語る「敗者のゲーム」を勝ち抜く方法(2011年10月13日)

過去12ヵ月で見た場合、何と全体の60%ものファンドマネジャーが、ベンチマークを超える実績を上げることが出来ませんでした。過去10年だと70%のファンドマネジャーが、過去20年だと80%のファンドマネジャーが、やはりベンチマークを超えるリターンを残すことができなかった、という結果が出ています。

特に運用会社の選択に際しては、データに注意すること。データというものは、いくらでも自分たちに都合の良いように作り直すことができます。あるいは、あまり多くの運用会社と付き合うというのも、賢明な選択ではありません。

では、この本で学んだことをまとめたいと思います。すごいボリュームの本なので、定期的に何度か読まないとしっかり理解できなそうですね。

  • 他人任せにせず、自分自身で考え、行動すべき。
  • 1年では6割、10年では7割、20年では8割のファンドマネージャーが市場平均を下回る。
  • 機関投資家の大多数が市場平均より高い成果を上げられるという前提は正しくない。なぜなら、機関投資家そのものが市場なので、機関投資家全体としては自分自身に打ち勝つことはできないから。機関投資家は取引の95%を占める。
  • 運用機関の数が膨大で、能力も高く、質の高いサービスを提供するからこそ、資産運用が「敗者のゲーム」となった。
  • テニスではプロは得点を勝ち取るのに対し、アマはミスによって得点を失う。アマチュアの試合の得点のほとんどは相手のミスによるもの。プロのテニスは「勝者のゲーム」、アマチュアのテニスは「敗者のゲーム」。
  • 戦争ではミスは避けられない。他の条件が等しければ、戦略上のミスを最小にする側が勝つ。
  • ゴルフで勝つためにはミスショットをできるだけ少なくすること。
  • 市場より高い成果を上げようとする機関投資家がたくさんいる市場で機関投資家が勝ち残るには、競争相手よりも失点を少なくすること。
  • 平均値よりも大きな離れた値が出ても、やがてまた平均値に戻る現象を「平均への回帰」と言う。
  • 機関投資家が市場を支配するような新しいルールの下でゲームのカギを握るのはコスト。
  • 運用機関が市場に勝てないのであれば、市場を忠実に反映する、つまり市場に負けないインデックスファンドへの投資を考えてみるべき。
  • インデックスファンドは面白おかしくないが、とにかく結果が出る。
  • アクティブマネージャーの過去の実績が良かったからといって、将来も良いとは限らない。
  • 将来、市場に勝てる数少ないファンドマネジャーを見つけるのは至難の業。
  • 過去の運用成績が最悪のグループは将来の見込みもない。
  • 資産運用業界では、過去50年で運用資産額は10倍に、手数料率は5倍以上に増加した。
  • 市場に勝つということは、市場を構成する運用のプロに勝つということ。競争相手より常に優位に立つことは難しくなった。
  • 投資の最大の課題は株式、債券、不動産などへの長期的な資産配分の決定。
  • 天気と気候は別物。気候の良い場所に住みたいなら、先週の天気だけを参考にしても意味がない。
  • 投資で成功するために大事なことは損を出さないこと。
  • 「よく知っている」と「よく理解している」は別。
  • 投資先を国内に限定するということは、自国が他国より有利というアクティブな判断の結果。
  • 米国投資家にとっての国際分散投資とは、ポートフォリオの半分を国外へ投資すること。
  • 個人投資家のリターンを押し下げている1つの要因は、株式を売買する度に売買益に課税されること。売買が多いほど実効税率が上昇し、リターンが下がる。
  • 個別の国など特定投資対象に特化したETFは投資を考えるべきではない。
  • みな、可能性に賭ける。カジノはいつも満員。だからアクティブファンドはなくならない。
  • 長期になればなるhどお、市場平均以上のリターンを上げられる確率は低下する。
  • アクティブマネジャーが運用する株の平均保有期間は1年。そのぶん、個人投資家に税金の負担が発生している。公表される運用成績は税引き前。
  • インフレ率2%が続けば、36年で資産は半減する。3%なら24年、4%なら18年、5%なら14年。
  • 税務上有利が売りの商品は、投資対象としての魅力はない。証券会社の手数料を増やすだけ。
  • 自分の住宅を投資資産と考えてはいけない。住宅は金融的な意味で優良な投資対象とは言えない。
  • 債券は株式と同様に価格が変動するし、長期運用にとっての真のリスクであるインフレに弱い。
  • 複利効果は驚くほど強力。どんなものでも64回倍増させれば際限なく膨れ上がる。
  • 経済成長が富を蓄積していくスピードとほとんど変わらないスピードで、インフレが富の実質購買力を破壊していく。
  • 利回りが高いと見えるうちの一部は、元本減少リスクに対するリターン。ジャンク債の8〜10%の金利は、かなりの確率で起こる倒産による損失カバー分を含んでいる。
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