投資信託への投資を始めた時に買ったけど、読んでなかった本を読んでみました。
長期投資家の「先を読む」発想法: 10年後に上がる株をどう選ぶのか
日本の直販投信の先駆けである「さわかみ投信」の会長・澤上篤人さんの本です。2014年11月発行。
さわかみファンドは私も去年4〜11月まで積立していましたが、今は積立していません。今日時点で約2万円のマイナスリターンが出ています。。
同じ直販投信の鎌倉投信の「結い2101」のところでも振れましたが、ここ1年のさわかみファンドのパフォーマンスはマイナス-13.59%と非常に悪いです。
さらに、過去10年となると、マイナスではないですが、たったのプラス0.19%という成績になっています。
この本の副題は「10年後に上がる株をどう選ぶのか」ですが、10年でほとんどリターンを出せていないのですから、説得力がありません・・・。
モーニングスターには、さわかみファンドの過去10年のトータルリターンが掲載されています。
トータルリターン | |
---|---|
2007年 | -7.65% |
2008年 | -42.17% |
2009年 | 27.16% |
2010年 | -0.87% |
2011年 | -17.75% |
2012年 | 13.15% |
2013年 | 55.76% |
2014年 | 12.11% |
2015年 | 6.91%% |
2016年(年初来)※4/23現在 | -11.31% |
これを見ると、過去10年でプラスのリターンが出ているのは半分の5年で、半分はマイナスリターンです。
といっても、2012〜2014年の3年間はアベノミクスで「猿でも勝てる相場」と言われています。
でも、2015年から相場の状況が変わりました。
さわかみファンドはアクティブファンドですが、結局、銘柄選定力ではなく、景気頼みのファンドのような印象しかありません。。
だったら、さわかみファンドよりもコストが低い日経225に連動するインデックスファンドやETFを買っておけばいいかと・・・。
この本の中で次の一文が出てきます。
やみくもな国際分散投資などしない。そんな余分なことをするよりも、たとえば日本企業の株式に投資していれば、もう十分に海外市場に分散していることになる。なぜなら、日本企業がグローバル化しているからだ。
確かに、トヨタやTOTOとか世界中で見かけますが、長谷川慶太郎さんもそうですが、日本人の年配者の「日本企業は安泰」論は当てにならないと思いますね。
楽観的すぎるというか・・・。
そもそも、さわかみファンド自体が10年で0.19%のリターンしか出せていないので、文章に説得力を感じません。。
「自立して堂々と生きていこう」というセミナーにも参加したことがあるのですが、ファンドマネージャーたちにあまりデキる印象を持てませんでした。。
さわかみファンドに投資するなら、ひふみ投信に投資した方がいいと、今は100%思います。
過去のトータルリターンを見ても、さわかみファンドとひふみ投信では比べものになりませんから。
さわかみファンド 1999年8月設立 |
ひふみ投信 2008年10月設立 |
|
---|---|---|
2007年 | -7.65% | – |
2008年 | -42.17% | – |
2009年 | 27.16% | 10.21% |
2010年 | -0.87% | 1.86% |
2011年 | -17.75% | -1.30% |
2012年 | 13.15% | 22.17% |
2013年 | 55.76% | 67.96% |
2014年 | 12.11% | 13.99% |
2015年 | 6.91%% | 21.75% |
2016年(年初来)※4/23現在 | -11.31% | -1.14% |
では、この本で学んだことをまとめたいと思います。
- 債券市場から株式市場に資金の流れがシフトすることを「グレート・ローテーション」と言う。
- 「グレート・ローテーション」になると、債券は安全という神話が崩れる。
- 投資はできるだけ身近なところですべき。ワケの分からない証券化商品や土地勘のない国や地域の市場に投資べきではない。
- 人口増こそが新しいメガトレンドとして構造的インフレを生み出す。
- 経済的混乱や恐慌がきても、人々は普通の生活を送り続けるので、生きて行く上で必要な製品や技術を開発している企業の売上は維持される。
- 水・環境・資源(エネルギー)・食糧・工業原材料は人々が生きて行くうえで必要なもの。
- 地球には海がたくさんあるが、人間の飲料に使える水はたったの2%。そのうちの7割が農業、2割が工業用に使われ、飲料はわずかに1割程度。
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